谷口崇(ILCA)

連続小説『夕立のあとに』~第1話~
バス停へと急ぐ詩織の足を、穏やかなピアノの音色が引き止める。見上げると、窓に見えるのは大きなグランドピアノと、その上を軽やかに走る細くて白い指。詩織は微笑むと、ゆっくりとバス停へと歩いた。
教室の窓から外を眺める詩織の頭を、明美が教科書でたたく。「詩織、またボ~ッとして!大事な時期なのに、恋でもしてるの~?」「ち、違うよ!」高校3年生の詩織は、大学受験を目前に控えていた。成績は悪くはないが、志望する大学の合格ラインギリギリ。「…もっと、集中しないとな。図書室行ってくる。」「あ、詩織あぶない!」気付くと、詩織は廊下に尻もちをついて倒れていた。同じく、目の前には尻もちをついている男の子。「ご、ごめんなさい!」「いえ、僕の方こそ!」詩織の方へ、そっと手を差し出す。細くて白い指。「あ、あなた…!」

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